飛んではやぶさ君の雑記ブログ

鳥が高い空を飛ぶように、魚が自由に泳ぐように、自分らしい人生を描くためにビジネスマインドやスキルアップ、趣味(旅行や写真)について書いています。

【ただの旅行記】航空券・ホテル手配のみで行くドイツ旅行(ローテンブルク編)

こんにちは、飛んではやぶさ君です。新章ドイツ旅行の記事をアップしました。旅行の行き先で悩んでいる方、ぜひ参考にしてみてください。
 
 

2012/2/11~18


今回も年に一度の仕事の長期休みを使って、行ってきましたドイツ。目指すはオーストリア国境付近、フュッセンにあるノイシュヴァンシュタイン城。ディズニーランドのシンデレラ城のモデルにもなったこの場所を最終目的地として、 男ふたりの列車の旅が始まります。

1週間、全6都市を巡った旅の模様は下記のように書いていきます。

●プロローグ

●フランクフルト編

★ケルン編

★ヴュルツブルグ編

●ローテンブルグ編

フュッセン

ミュンヘン~フランクフルト編

★…世界遺産あり


2/13 ヴュルツブルク→ローテンブルク

列車にはスムーズに乗ることができて、揺られること30分は過ぎただろうか。窓の外は、ひたすらに続く雪原と裸の木々が寒そうにしていた。車内を見渡すと、私たちの斜め向かいに日本人の男女4人組が地球の歩き方を片手に楽しそうにしていた。私とNくんは話しかけることはしなかったが、この4人がどういった関係なのかに興味津津だった。

・どう見ても学生
・キャリーバックではなくザックである
地球の歩き方がドイツだけでなく、スイスや他の地域も包含したタイトルである

学生旅行のバックパッカ―か。いろいろな国に行くのなら、きっと2週間くらいは旅をするのだろうな。うらやましい。

・男女2名2名で来ている

それぞれカップルか。バックパッカーの旅に付き合う女性がいるのだな。


と勝手にいろいろ人間観察をしていた。予定ではこの列車に乗っていれば、1時間で着く。昼のアルコールが抜け切った頭でボーっとそんなことを考えていると、シュタイナッハという駅に差し掛かった。

どうやらこの日本人4人組は降りるらしく、身支度をし始めた。ただ、どう見ても何もなさそうな田舎町。こんなところで降りるなんて珍しいと思いながら、彼らが降りるのを見守っていると、彼らの降車直前の会話からある言葉が漏れてきた。

「ローテンブルク…」


私とNくんは顔を見合わせた。よく見ると、目的地を示す電光掲示板には、シュタイナッハという言葉の横に括弧書きで「ローテンブ…」と思われるアルファベットの羅列があった。嫌な予感がした私は、ガイドブックの路線図とローテンブルクのページを照らし合わせてみた。すると、すぐにローテンブルクへは、このシュタイナッハの駅からローカル線に乗り換える必要があるとわかった。

心臓の音がドンドンと一気に大きくなっていった。ただ、時すでに遅く、シュタイナッハの看板は横に流れ、また雪原と林の続く景色が始まっていた。心なしか先ほどよりも天気は陰りを見せ、白以外に何もない風景が突然冷たく見えたのは私だけではないだろう。

とりあえず状況を整理する必要がある。なるべく冷静にと意識しながら、改めて考えると、やはりあの駅で乗り換えなければローテンブルクには行けないらしく、確かにガイドブックにもそう書かれていた。

私は、列車のタイムスケジュールを日本から印刷して持ってきていた。ただそれには、乗り換えの詳細まで書かれていなかったので、1本で着けるものだと勘違いをしてしまっていたのだ。

準備が逆に仇になった。私は焦り、Nくんもそんな私も見て冷静ではいられなくなっていた。次の駅が訪れるたびに、ここで降りて引き返そうかと考えるも、それらはとても小さい木造の駅で、周りに何もない。下手に降りて、状況が悪化するのだけは防ぎたかった。

この状況で、私ひとりでは確実に冷静には戻れなかっただろう。相方のNくんがいてこそ、どうにか平常心を保つことができた。ふたりで相談して、この先にあるアンズバッハという駅まで向かうことにした。そこは、いくつかの路線が交わる場所なので、大きい駅に違いないはず。そこであれば引き返す列車を待つにも休憩できるはずだと私たちは踏んだのだ。

こうしてアンズバッハまで来た私たちは、列車の来る30分間を駅のコンビニで過ごし、無事にシュタイナッハに戻ることができた。すでに時間は17時を回るところで、日はゆっくりと落ち始めていた。


さすがローカル線、さらに何もない景色の中を列車は走っていた。ただ、先ほどとは打って変わって、風景は私たちを温かく迎えて入れてくれていた。ローテンブルク駅の到着は、さながら桃鉄のゴール。それほどの安堵感を私たちが感じていたことは言うまでもない。念願の町に着いて、駅を乗り過ごすというトラブルは、どうにか旅の笑えるネタになったわけだ。

ただ、私たちにはもうひとつのミッションが残っていた。実は、この日の宿はどこも押さえていないのだ。すでに時間は17時半を回っており、時間はあまりない。私たちはホッとするのもつかの間、雪道にキャリーバックを擦りながら、城壁に囲まれた町を目指した。


ローテンブルクは、中世の都市をほぼそのままに残している城壁に囲まれた町。これから紹介していくが、おもちゃ箱をひっくり返したようなおとぎの世界がそこには広がっている。建物の色もデザインもそこに住む人でさえ、すべてが歯車のように噛み合って町を造り上げている。ここは機会があればまた訪れたい町。私たちの旅を通して、少しでもこの感覚が伝われば嬉しい。

駅から10分ほど歩くと、レーダー門と呼ばれる城壁の入口が見えてくる。そこをくぐると、マルクス塔というアーチ状の建物を一番奥として、かわいらしい建物が軒を連ねていた。雪もふたたびちらつく中、白く覆われながらも赤や黄色やオレンジが主張する。私たちは一瞬でローテンブルクという町のムードに飲み込まれた。さながら中世へのタイムスリップと言ってもおかしくない感覚だった。

ガラガラと石畳を進むと、町の中心のマルクト広場に。大きな市庁舎が私たちを迎え入れてくれた。時間を見ると18時。そろそろ宿を取らないといけないなと、市庁舎の横のツアリストインフォメーションに寄ることにした。

昨年のクロアチアでの成功事例があったので、インフォメーションに行けば宿は簡単に取れると私は踏んでいた。3日目の宿を取っていなかったのも、現地で押さえた方が安いというのを知っていたからこそ。私は意気揚々とインフォメーションのドアを叩いた。

「あれ?おかしいな、開かない」


ドアノブをガチャガチャやっても一向に開く様子はない。それどころか中は真っ暗で誰もいなかった。状況が理解できないでいる私にNくんが向かいの看板の「17:00まで」という文字を見つけてくれた。

「え~~」


ここまで来て新たなトラブル。インフォメーションはやっておらず、この日は自力で宿を探さないといけないことが決定した。その瞬間から日は一気に落ちはじめ、空は暗い青に変わっていた。


インフォメーションの外にホテルの位置関係を示す地図があったので、ガイドブックと照らしあわせたり、近くのホテルを探してみたが、地図の表示が若干違うのか、よくわからなかったので早々に断念。次に、Nくんが現地のおじさんに訪ねてみたのだが、英語もあまり通じずこれもダメだった。

続いて、町を歩いてホテルを探すことに。2軒ほど回ったが、両方ともオフシーズンで今はホテルはやっていないと断られてしまった。最後に、ガイドブックに乗っていたユースを目指して進むも、そちらに向かうごとにドンドンと人気と照明が減っていったので、ゆっくりと足は出なくなっていった。

その先に進むのか、どうするのか、暗くなっていく空が不安を助長する。一方で、徐々にオレンジ色の街灯が灯り、ショーウィンドウからは明かりが漏れて雪を照らす。光は白に反射して煌々と輝きを増す。町が幻想的な雰囲気に包まれる中、私たちはそれを味わう余裕さえなく、途方に暮れようとしていた。


「おれ、ちょっとあの人たちに話聞いてくるわ。荷物見てて。」

私が先に進もうと歩みを再開しようとしたとき、Nくんが動いた。先ほどすれ違った中に日本人がいた、と、気付けば彼は女の子ふたり組に颯爽と話しかけていた。

だいぶ遠くで話しているので、何を言ってるのかはわからない。私はキャリーバックの上に座り、少し待った。しばらくしてNくんが戻ってきた。

「どうだった。」

「彼女らも今日ここに到着して、宿を取ったんだって。んで、その宿の場所を教えてもらったから、そこに行こう。彼女らがチェックインしたときは、まだ空き部屋があったから、たぶんまだ大丈夫だって。」


私たちは走っていた。時間がないからではない。トラブル解決の糸口を見つけ、テンションを抑えきれなかったからだ。石畳を引きずるガラガラという音が一層と響く。きっと周りには迷惑だろうが関係ない。私たちは、息を切らしながら、意気揚々とホテル「クロースターシュテュープレ」に向かった。

宿を押さえられたのは、それから10分後のできごと。オーナーの女性はとても優しく、いきなり現れた私たちのつたない英語を理解し、部屋を手配してくれた。このホテルの従業員と日本人のふたりには本当に感謝だ。

前のクロアチアの旅もそうだったが、泊まれる場所があること、帰れる場所があることの素晴らしさをこのときほど味わうことはない。トラブルを望むわけではないが、こういった現地で宿を押さえる方法を覚えてしまうと、いろいろな意味で病みつきになる。金額を安く済ませたい方、泊まれる安心感を感じたい方にはぜひ薦めたい。

もちろん、スリルを味わいたいという人にもぜひチャレンジしてもらいたい。往々にして、計算通りにはいかないものが旅行の醍醐味だ。




荷物を置いた後は、町の探索と夕食をとるために再度外に飛び出した。すっかり日が暮れたローテンブルクはまた違った表情を浮かべていた。ようやくすべてのことから解放され、幻想的な雰囲気もすっとカラダに入ってくる。おもちゃ箱をひっくり返した町という例えは、写真を見てもらえると伝わるだろうか。建物はもちろん、ショーウィンドウからも素敵な人形や雑貨たちが迎えてくれるのだ。

「なんでおまえと来てるんだか。」


この町で何度お互いにこの言葉を発したかはわからない。Nくんは次は彼女と来ると誓っていた。ローテンブルクはかなり気に入った様子だった。


夕飯を8時ごろ済ましホテルに戻ると、私たちは気付けば朝を迎えていた。フランクフルトからヴァルツブルク、さらにローテンブルクへと向かい、列車を乗り過ごしたり、宿が手配できないかもというトラブルに見舞われ、この日は相当に疲れていたに違いない。

後にも先にも、このドイツ旅行でこれほど焦ったことも動いたこともなかったかもしれない。ただその対価として、充実した時間を過ごしたことは言うまでもない。旅はこれだからやめられない、誰かが言っていたこの言葉を借りて、この日の話を閉めたいと思う。



長文・駄文を読んでくれた方、ありがとうございました。次は、フュッセン編のお話です。

 

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海外旅行の醍醐味の一つに、自分で旅をしている感。地図を見ながら自分で決めて進んでいる感があると思っています。このドイツの旅でその充実感を日々感じていました。もしあなたが旅行に行きたい、新しい感性に触れたいということであればぜひ航空券を手配して計画してみるのはいかがでしょうか。

 

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