飛んではやぶさ君の雑記ブログ

鳥が高い空を飛ぶように、魚が自由に泳ぐように、自分らしい人生を描くためにビジネスマインドやスキルアップ、趣味(旅行や写真)について書いています。

写真構図は誰に何を伝えたいか!Sonyαシリーズで、あなただけの作品を創り出そう

こんにちは、飛んではやぶさ君です。

 

今回は、写真の構図について僕が大事にしていることをお伝えします。

 

<目次>
1.主役は何だ?誰だ?
2.この主役が一番引き立つ構図は?
3.あ、これ撮りたい!

 

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1.主役は何だ?誰だ?

写真の構図に限らず、写真は「誰に何を伝えたいか」が大事になります。

 

写真を撮るときにやりがちなのが、すべてが記念写真、証明写真になってしまうことです。

 

「◯◯に行ったので記念に」
「××さんと会えたので」

 

記念写真、証明写真はそこに行った思い出ややったことを記録に残すことが目的です。言わば自分や親しいコミュニティのための写真です。ただ、写真で作品を創りたい、何かを発信したい、誰かに「この写真いいね」「ステキだね」「何かが伝わってくる」と言われたいということであれば、相手に伝える目的で写真を撮らなければなりません。

 

写ってる人なのか、景色なのか、はたまた地面に転がる石なのか。誰に何を伝えたいのかによって、写真の構図もまるで変化します。以下からは具体的な例を用いて、「誰に何を伝えたいか」をお伝えしていきます。


2.この主役が一番引き立つ構図は?

「誰に何を伝えたいか」を一番簡単に表現するためには、被写体、つまり撮りたい主役を決めることです。なんてことはありません、あなたが普段「あ、これ撮りたい」と無意識にでもやっていることです。

 

次に、その主役をどういうアングルから撮るかを考えます。これが「誰に何を伝えたいか」にリンクします。

 

例えば路上のタンポポを撮るとします。タンポポの凛とした姿を表現したいのか、タンポポがコンクリートの上で懸命に生きていることを表現したいのか、タンポポの葉が綺麗に放射状に広がっていることを見せたいのか。これらによって、撮影するアングルは変わってきます。

 

最後に構図です。ファインダーを覗き込んだり、画面を見ながら、一番そのアングルが際立つ、バランスが取れる位置を探して撮影します。具体的に例を挙げて説明していきます。

 

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ここにお洒落なカフェの写真があります。店内の様子はわかりますが、パッと見て何を伝えたい写真かわかりづらいと思います。伝わるのはこのカフェに行ったということ、つまり記念写真です。

 

そこで何を撮りたいかの主役を決めてみます。

 

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お客さんの外国人を主役に置いてみます。自然とカフェではなく、カフェでくつろぐ外国人を撮りたいのだなと伝わります。

 

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また、店員さんにフォーカスを当てると、忙しく働く店員さんや厨房の様子を伝えたいのだと伝わります。

 

主役をどこに、誰に置くかで写真の撮り方はまるで変わります。

 

 

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次に、ドイツの世界遺産レジデンツを例に挙げて説明します。

 

レジデンツはドイツのヴュルツブルクにある領主司教の宮殿。18世紀にバルタザール・ノイマンによる設計バロック建築様式を代表する、ヨーロッパでも屈指の宮殿です(wikipedia参照)。僕はその大きさはとても大きく驚いたことを覚えています。その偉大さ、大きさを表現するために、建物全体を撮るのも一つの表現だと思います。

 

ただ、アングルを少し変えてみると写真はまったく違う表現になります。例えば中庭にある石像を主役に置きます。いくつか写真を撮ってみます。

 

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石像を主役にした写真です。ただ、少し面白みに欠けるので構図を意識してファインダーを覗いてハマる位置を探してみます。

 

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さらに脇の女性の像に焦点を当て、奥の宮殿も見せるようにしました。女性像の表情も映え、全体的に与える印象が変わったと思います。

 

 

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いわゆる三分割構図で見てみると、中央に女性の顔が位置し、上部の女性の像手から右下にかけてバランスが取れていることがわかります。(三分割構図とは、写真の縦横それぞれを三分割し、その交点や線にメインとなる被写体を配置する構図です。)


アングルを意識しながら、写真を撮ると収まりのいい構図に巡り会うことがあります。その瞬間に思い切りシャッターを切りましょう。

 

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街を歩いていて可愛いアートがありました。僕ならこう撮ってみます。

 

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生垣の緑の隙間から物憂げな女性が見える、より際立つ構図になりました。

 

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構図の手法としては、日の丸型という一番ベーシックな構図の型。写真の中心に目線がいくようにシャッターを切りました。日の丸型を活用すると、主役が際立ちます。

 

ただ、そこでもう一つ工夫をするとまた違った見え方になります。

 

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ここに睡蓮の花があります。大きな睡蓮の花が凛と咲いていることがわかります。

 

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ここに脇役を追加してみましょう。平等院の境内を入れてみました。それにより、平等院の脇に咲く睡蓮の花をあえて主役に置いた構図であることが伝わります。また違った表現を伝えることができるようになりました。

 

このように主役と脇役を配置することで、写真の表現が一気に広がります。ぜひいろいろなアングルを試して、さまざまな構図に挑戦してみてください。

 

3.あ、これ撮りたい!

写真は誰でも自由に表現することができます。昔に比べて技術は進歩し、今ではスマホでも自由に撮ることができます。表現の幅も機能が拡張し手軽にできるようになりました。

 

もし、あなたが記念撮影や証明写真でしか撮っていなかったなと感じたのなら、ぜひ「誰に何を伝えるのか」を意識してぜひカメラを構えてみてください。

 

小難しい話もしてしまいましたが、まずはあなたが「あ、これ撮りたい!」と思えるものをいろいろなアングルから撮ってみましょう。

 

その時には主役を決めるのはもちろん、脇役に何を置いたらより映えるのか、バランスの良い構図は何がいいかなど考えながらたくさんの写真を撮ってみてください。これもまた練習あるのみです。

 

この記事があなたの写真撮影の参考になれば幸いです。

 

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【ただの旅行記】航空券・ホテル手配のみで行くドイツ旅行(ローテンブルク編)

こんにちは、飛んではやぶさ君です。新章ドイツ旅行の記事をアップしました。旅行の行き先で悩んでいる方、ぜひ参考にしてみてください。
 
 

2012/2/11~18


今回も年に一度の仕事の長期休みを使って、行ってきましたドイツ。目指すはオーストリア国境付近、フュッセンにあるノイシュヴァンシュタイン城。ディズニーランドのシンデレラ城のモデルにもなったこの場所を最終目的地として、 男ふたりの列車の旅が始まります。

1週間、全6都市を巡った旅の模様は下記のように書いていきます。

●プロローグ

●フランクフルト編

★ケルン編

★ヴュルツブルグ編

●ローテンブルグ編

フュッセン

ミュンヘン~フランクフルト編

★…世界遺産あり


2/13 ヴュルツブルク→ローテンブルク

列車にはスムーズに乗ることができて、揺られること30分は過ぎただろうか。窓の外は、ひたすらに続く雪原と裸の木々が寒そうにしていた。車内を見渡すと、私たちの斜め向かいに日本人の男女4人組が地球の歩き方を片手に楽しそうにしていた。私とNくんは話しかけることはしなかったが、この4人がどういった関係なのかに興味津津だった。

・どう見ても学生
・キャリーバックではなくザックである
地球の歩き方がドイツだけでなく、スイスや他の地域も包含したタイトルである

学生旅行のバックパッカ―か。いろいろな国に行くのなら、きっと2週間くらいは旅をするのだろうな。うらやましい。

・男女2名2名で来ている

それぞれカップルか。バックパッカーの旅に付き合う女性がいるのだな。


と勝手にいろいろ人間観察をしていた。予定ではこの列車に乗っていれば、1時間で着く。昼のアルコールが抜け切った頭でボーっとそんなことを考えていると、シュタイナッハという駅に差し掛かった。

どうやらこの日本人4人組は降りるらしく、身支度をし始めた。ただ、どう見ても何もなさそうな田舎町。こんなところで降りるなんて珍しいと思いながら、彼らが降りるのを見守っていると、彼らの降車直前の会話からある言葉が漏れてきた。

「ローテンブルク…」


私とNくんは顔を見合わせた。よく見ると、目的地を示す電光掲示板には、シュタイナッハという言葉の横に括弧書きで「ローテンブ…」と思われるアルファベットの羅列があった。嫌な予感がした私は、ガイドブックの路線図とローテンブルクのページを照らし合わせてみた。すると、すぐにローテンブルクへは、このシュタイナッハの駅からローカル線に乗り換える必要があるとわかった。

心臓の音がドンドンと一気に大きくなっていった。ただ、時すでに遅く、シュタイナッハの看板は横に流れ、また雪原と林の続く景色が始まっていた。心なしか先ほどよりも天気は陰りを見せ、白以外に何もない風景が突然冷たく見えたのは私だけではないだろう。

とりあえず状況を整理する必要がある。なるべく冷静にと意識しながら、改めて考えると、やはりあの駅で乗り換えなければローテンブルクには行けないらしく、確かにガイドブックにもそう書かれていた。

私は、列車のタイムスケジュールを日本から印刷して持ってきていた。ただそれには、乗り換えの詳細まで書かれていなかったので、1本で着けるものだと勘違いをしてしまっていたのだ。

準備が逆に仇になった。私は焦り、Nくんもそんな私も見て冷静ではいられなくなっていた。次の駅が訪れるたびに、ここで降りて引き返そうかと考えるも、それらはとても小さい木造の駅で、周りに何もない。下手に降りて、状況が悪化するのだけは防ぎたかった。

この状況で、私ひとりでは確実に冷静には戻れなかっただろう。相方のNくんがいてこそ、どうにか平常心を保つことができた。ふたりで相談して、この先にあるアンズバッハという駅まで向かうことにした。そこは、いくつかの路線が交わる場所なので、大きい駅に違いないはず。そこであれば引き返す列車を待つにも休憩できるはずだと私たちは踏んだのだ。

こうしてアンズバッハまで来た私たちは、列車の来る30分間を駅のコンビニで過ごし、無事にシュタイナッハに戻ることができた。すでに時間は17時を回るところで、日はゆっくりと落ち始めていた。


さすがローカル線、さらに何もない景色の中を列車は走っていた。ただ、先ほどとは打って変わって、風景は私たちを温かく迎えて入れてくれていた。ローテンブルク駅の到着は、さながら桃鉄のゴール。それほどの安堵感を私たちが感じていたことは言うまでもない。念願の町に着いて、駅を乗り過ごすというトラブルは、どうにか旅の笑えるネタになったわけだ。

ただ、私たちにはもうひとつのミッションが残っていた。実は、この日の宿はどこも押さえていないのだ。すでに時間は17時半を回っており、時間はあまりない。私たちはホッとするのもつかの間、雪道にキャリーバックを擦りながら、城壁に囲まれた町を目指した。


ローテンブルクは、中世の都市をほぼそのままに残している城壁に囲まれた町。これから紹介していくが、おもちゃ箱をひっくり返したようなおとぎの世界がそこには広がっている。建物の色もデザインもそこに住む人でさえ、すべてが歯車のように噛み合って町を造り上げている。ここは機会があればまた訪れたい町。私たちの旅を通して、少しでもこの感覚が伝われば嬉しい。

駅から10分ほど歩くと、レーダー門と呼ばれる城壁の入口が見えてくる。そこをくぐると、マルクス塔というアーチ状の建物を一番奥として、かわいらしい建物が軒を連ねていた。雪もふたたびちらつく中、白く覆われながらも赤や黄色やオレンジが主張する。私たちは一瞬でローテンブルクという町のムードに飲み込まれた。さながら中世へのタイムスリップと言ってもおかしくない感覚だった。

ガラガラと石畳を進むと、町の中心のマルクト広場に。大きな市庁舎が私たちを迎え入れてくれた。時間を見ると18時。そろそろ宿を取らないといけないなと、市庁舎の横のツアリストインフォメーションに寄ることにした。

昨年のクロアチアでの成功事例があったので、インフォメーションに行けば宿は簡単に取れると私は踏んでいた。3日目の宿を取っていなかったのも、現地で押さえた方が安いというのを知っていたからこそ。私は意気揚々とインフォメーションのドアを叩いた。

「あれ?おかしいな、開かない」


ドアノブをガチャガチャやっても一向に開く様子はない。それどころか中は真っ暗で誰もいなかった。状況が理解できないでいる私にNくんが向かいの看板の「17:00まで」という文字を見つけてくれた。

「え~~」


ここまで来て新たなトラブル。インフォメーションはやっておらず、この日は自力で宿を探さないといけないことが決定した。その瞬間から日は一気に落ちはじめ、空は暗い青に変わっていた。


インフォメーションの外にホテルの位置関係を示す地図があったので、ガイドブックと照らしあわせたり、近くのホテルを探してみたが、地図の表示が若干違うのか、よくわからなかったので早々に断念。次に、Nくんが現地のおじさんに訪ねてみたのだが、英語もあまり通じずこれもダメだった。

続いて、町を歩いてホテルを探すことに。2軒ほど回ったが、両方ともオフシーズンで今はホテルはやっていないと断られてしまった。最後に、ガイドブックに乗っていたユースを目指して進むも、そちらに向かうごとにドンドンと人気と照明が減っていったので、ゆっくりと足は出なくなっていった。

その先に進むのか、どうするのか、暗くなっていく空が不安を助長する。一方で、徐々にオレンジ色の街灯が灯り、ショーウィンドウからは明かりが漏れて雪を照らす。光は白に反射して煌々と輝きを増す。町が幻想的な雰囲気に包まれる中、私たちはそれを味わう余裕さえなく、途方に暮れようとしていた。


「おれ、ちょっとあの人たちに話聞いてくるわ。荷物見てて。」

私が先に進もうと歩みを再開しようとしたとき、Nくんが動いた。先ほどすれ違った中に日本人がいた、と、気付けば彼は女の子ふたり組に颯爽と話しかけていた。

だいぶ遠くで話しているので、何を言ってるのかはわからない。私はキャリーバックの上に座り、少し待った。しばらくしてNくんが戻ってきた。

「どうだった。」

「彼女らも今日ここに到着して、宿を取ったんだって。んで、その宿の場所を教えてもらったから、そこに行こう。彼女らがチェックインしたときは、まだ空き部屋があったから、たぶんまだ大丈夫だって。」


私たちは走っていた。時間がないからではない。トラブル解決の糸口を見つけ、テンションを抑えきれなかったからだ。石畳を引きずるガラガラという音が一層と響く。きっと周りには迷惑だろうが関係ない。私たちは、息を切らしながら、意気揚々とホテル「クロースターシュテュープレ」に向かった。

宿を押さえられたのは、それから10分後のできごと。オーナーの女性はとても優しく、いきなり現れた私たちのつたない英語を理解し、部屋を手配してくれた。このホテルの従業員と日本人のふたりには本当に感謝だ。

前のクロアチアの旅もそうだったが、泊まれる場所があること、帰れる場所があることの素晴らしさをこのときほど味わうことはない。トラブルを望むわけではないが、こういった現地で宿を押さえる方法を覚えてしまうと、いろいろな意味で病みつきになる。金額を安く済ませたい方、泊まれる安心感を感じたい方にはぜひ薦めたい。

もちろん、スリルを味わいたいという人にもぜひチャレンジしてもらいたい。往々にして、計算通りにはいかないものが旅行の醍醐味だ。




荷物を置いた後は、町の探索と夕食をとるために再度外に飛び出した。すっかり日が暮れたローテンブルクはまた違った表情を浮かべていた。ようやくすべてのことから解放され、幻想的な雰囲気もすっとカラダに入ってくる。おもちゃ箱をひっくり返した町という例えは、写真を見てもらえると伝わるだろうか。建物はもちろん、ショーウィンドウからも素敵な人形や雑貨たちが迎えてくれるのだ。

「なんでおまえと来てるんだか。」


この町で何度お互いにこの言葉を発したかはわからない。Nくんは次は彼女と来ると誓っていた。ローテンブルクはかなり気に入った様子だった。


夕飯を8時ごろ済ましホテルに戻ると、私たちは気付けば朝を迎えていた。フランクフルトからヴァルツブルク、さらにローテンブルクへと向かい、列車を乗り過ごしたり、宿が手配できないかもというトラブルに見舞われ、この日は相当に疲れていたに違いない。

後にも先にも、このドイツ旅行でこれほど焦ったことも動いたこともなかったかもしれない。ただその対価として、充実した時間を過ごしたことは言うまでもない。旅はこれだからやめられない、誰かが言っていたこの言葉を借りて、この日の話を閉めたいと思う。



長文・駄文を読んでくれた方、ありがとうございました。次は、フュッセン編のお話です。

 

海外旅行の手配はコチラから

海外旅行の醍醐味の一つに、自分で旅をしている感。地図を見ながら自分で決めて進んでいる感があると思っています。このドイツの旅でその充実感を日々感じていました。もしあなたが旅行に行きたい、新しい感性に触れたいということであればぜひ航空券を手配して計画してみるのはいかがでしょうか。

 

海外旅行の手配はこちらからぜひご覧ください。

海外航空券は旅工房

自分のペースで写真撮影・好きな場所に行くために!ヨーロッパ個人旅行の航空券・ホテル・持ち物の準備について

こんにちは、飛んではやぶさ君です。

前回、ヨーロッパ旅行を個人旅行でする場合のスケジュールの組み方についてお伝えしました。今回は、航空券、ホテルの手配、持ち物の準備についてお伝えします。

<こんなあなたに見てもらいたい>
・個人旅行は未経験!大変そうだけど興味がある
・ヨーロッパの街並みや景色を自分のペースで撮影したい
・ヨーロッパの行きたいところに自由に行きたい
・パッケージツアーを見ているけど行きたいところを網羅していな


<目次>
1.航空券を押さえよう
2.ホテルを押さえよう
3.現地の交通手段について
4.装備を整えよう
4-1.靴
4-2.服装
4-3.バッテリー
4-4.変換器

 

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1.航空券を押さえよう

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個人旅行のスケジュールを決めるにあたって大事なことは、行き帰りの場所と時間を決めることと前回お伝えしました。ついては、どこに行きたいかと旅行日数が決まった時点で、まずは航空券を押さえることをオススメします。

航空券の押さえ方は人によって様々だと思いますが、僕の場合はまずはネットで日程と場所を入力し、相場を確認します。その後に旅行代理店に相談に行きます。

その時の航空券の空き状況に応じて、どういうチケットを購入するのが最適かを相談します。直行便か、どこかを経由するかによって、費用や所要時間も変わってくるのでいくつかのパターンをもらうようにしています。

費用も大事ですが、現地に到着するまでの時間も重要です。いかに安くてもトランジットで待たされてしまっては、現地の観光時間が削られてしまいます。

いくつかのコースを聞いたら、自分で再度ネットで調べて押さえてもいいとは思いますが、僕はその場で決めてしまうことが多いです。航空券の予約は時間勝負だったりするので、早めの決断をしましょう。ただ、旅行代理店での手配の場合は、別途手数料がかかりますのでご注意ください。


<航空券手配サイト 例>
・トラベルコ(まとめサイト)(https://www.tour.ne.jp/
・エクスペディア(https://www.expedia.co.jp/air
・エアトリ(https://www.skygate.co.jp/

 

2.ホテルを押さえよう

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個人旅行は慣れるまでは、すべての日程を日本で押さえましょう。泊まる日と場所が決まっているのでこちらはネットでも簡単に押さえることができます。

慣れてきたら、初日と最終日以外は現地で押さえるのも面白いです。特に、泊まるホテルはあまりこだわりがない方であれば、現地で押さえる方が安い場合があります。

ヨーロッパではプライベートルーム(国によって呼称異なる)など、日本でいう民宿のような宿泊施設とそれを案内してくれるインフォメーションセンターが各所にあります。それらを利用することで、比較的コストを抑えて泊まることができます。現地で当日空いている宿泊施設を紹介してくれます。まだやったことのない方は、ぜひ挑戦してみるのも面白いかもしれません

ただし、リスクとしては部屋が空いてない場合があるので、混雑するオンシーズンは注意が必要です。豪華なホテルや人気のあるホテルに泊まりたい場合には日本で事前に押さえておくのが得策です。

<ホテル手配サイト 例>
・trivagoトリバコ(まとめサイト)(https://www.trivago.jp/
・Booking.com(https://www.booking.com/index.ja.html

 

3.現地の交通手段について

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現地の交通手段は、できるだけ現地で手配することをオススメします。列車や長距離バスについては、手配する場所さえ事前に把握ができていれば、比較的容易にチケット購入をすることができます。券売機などでの購入は国によってやり方が異なるので、有人窓口で問い合わせるようにしましょう。英語に自信のない方は、事前に手配したいチケットや行きたい場所をメモして、見せるようにするとスムーズになります。

ただ、航空券の場合は現地で手配するのは難易度が上がるので事前に手配することを推奨します。

<テクニック>
現地で列車やバスのチケットを手配する場合には、必ず事前に購入場所をチェックしておきましょう。また、列車のチケットなど、翌日以降のものを手配できるのであれば、購入自体を前日など事前に済ましておきましょう。列車の発車前ギリギリに購入すると、何か予期せぬことが起きた場合に、乗り遅れたり、焦って余計なトラブルが発生しかねません。できるだけ余裕をもって行動できるように現地のスケジュールも意識しましょう。


4.装備を整える


4-1.靴

ヨーロッパは観光スポットが街中に点在しているため、電車や徒歩での移動が多くなります。気付いたら一日歩きっぱなしということもあるので、歩き慣れたスニーカーなどを持っていくのがオススメです。また、山登りや自然に触れ合うような場所であれば、汚れる可能性も加味して、トレッキングシューズを用意しておくとベターです。

 

やってしまいがちなこととしては、旅行のために新品を購入し、本番の旅行で履き始めること。履き慣れていないので、疲れやすかったり、靴擦れを起こしてしまったり予期せぬことが起こります。出来るだけ履き慣れた靴を、新調する場合には、事前に足を慣らしておくようにしましょう。

あとは持っていく靴の数は最小限にすること。荷物が増えてしまうので、せいぜい1〜2種類に留めましょう。旅程に応じて、用意する靴を変えることが大事になってきます。


4-2.服装

服装は旅行の時期によります。現地の気温やオススメの服装はチェックしておきましょう。ガイドブックにも気温と服装のコーナーがありますので必ず見ておきましょう。これも旅程が都市部だけなのか、自然にも触れるのかでも変わってきます。温度調節しやすいような服装(ヒートテックなどのインナー、カーディガンなど羽織れるものなど)や冬場であればホッカイロなど、寒さ対策できるような準備をしておきましょう。都市部であれば現地で購入もできるので、準備する荷物の量で判断しましょう。


4-3.バッテリー

カメラ旅に必要不可欠なのがバッテリー。可能であれば、バッテリーは2つ以上持っていきましょう。主に携帯電話で撮影する方はモバイルバッテリーがオススメです。撮りたい景色を目の前にカメラのバッテリーが切れてしまったなんて悲しすぎます。また、寒い地域や時期は、バッテリーの消耗が激しいのもあります。気付いたらバッテリー切れなんてことも。

 

家電量販店などでカメラのバッテリーは売っていますので、事前に用意をしておくことをオススメします。そして毎日の充電が大事になってきますので、現地のホテルなどで忘れずに充電しておきましょう。


4-4.変換器

バッテリーの充電のために必要なのが、変換器です。国や地域によって電圧が異なるため、変換器を用意して日本の家電製品でも充電できるようにする必要があります。また、コンセントの差込口の形も異なりますので、持っていない方は事前の購入をオススメします。

ヨーロッパの場合は、Cタイプのコンセントとなります。少しコストは張りますが、2口の変換器が便利です。1つ目はカメラのバッテリー充電に、もう1つは携帯電話やその他電気が必要な家電製品に活用できるからです。一緒に旅する友人とシェアする場合にも充電渋滞を避けることができます。ヨーロッパエリアはほぼCタイプのコンセントなので、今後違う国やエリアに行く場合にも使用できるので必ず用意しておきましょう。

 

5.個人旅行の醍醐味は目的地までのプロセス

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僕として、ヨーロッパ旅行を個人旅行で薦める最大の理由は、個人旅行の醍醐味は目的地までのプロセスだと思っているからです。

 

プロセスというのは2つの意味があります。

 

1つ目は、言葉の通り、目的地に到着するまでのプロセスです。自分で考えて、現地の案内板などを見ながら、ときに人に聞きながら、自力で辿り着いた時の達成感は格別です。例えるなら、RPGゲームでヒントが少ない中で自分で考えてダンジョンを制覇したときの気持ちに似ています。この達成感を味わってしまうと、パッケージツアーなどの何もしなくても現地に連れて行ってくれることに物足りなさを感じてしまいます。目的地までのプロセスを、自分の中で地図で辿るように向かうことでそのスポットに行ったことに加えて、自力で辿り着いたという経験が相まってさらに輝きを増します。

 

もう一つは、今回の記事でご紹介した事前準備の時間としてのプロセスです。個人旅行なので、航空券やホテルの手配も自身行わなければなりません。ただ、自身が行きたい場所に行くためなのでぜひ楽しんでいただければと思います。下調べしたことや事前の準備が見事にはまり、効率的に目的地に辿り着けたときの達成感は格別なものです。

 

ヨーロッパ周遊の個人旅行の事前準備について参考になりましたでしょうか。

 

「自分のペースで写真撮影しながら好きな場所を旅行したい」
自由にスケジューリングし、無理のない余裕のある日程を組むことで、写真撮影にも時間が割けます。ぜひあなたらしいスケジュールを組むことから旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

僕の個人旅行記はコチラからご覧ください。

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自分のペースで写真撮影・好きな場所に行くために!ヨーロッパ個人旅行のスケジュールの組み方とは

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こんにちは、飛んではやぶさ君です。

 

前回、カメラ、写真好きなあなたにヨーロッパを個人旅行でする魅力とメリットをお伝えしました。今回は、具体的な個人旅行のスケジュールの組み方についてお伝えします。

 

<こんなあなたに見てもらいたい>
・個人旅行は未経験!大変そうだけど興味がある
・ヨーロッパの街並みや景色を自分のペースで撮影したい
・ヨーロッパの行きたいところに自由に行きたい
・パッケージツアーを見ているけど行きたいところを網羅していない


<目次>

  1. ガイドブックを購入しよう
  2. 行きたい都市やスポットを決めよう
  3. 各都市やスポットでの泊数を決めよう
  4. 移動時間を逆算してスケジュールを組もう
  5. 個人旅行の醍醐味は目的地までのプロセス

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1.ガイドブックを購入しよう

前段、まずは旅行の日数と行きたい国を決めます。それらが決まったら、ガイドブックを買いに行きましょう。僕がオススメするのは、「地球の歩き方」です。個人旅行に必要な現地の観光スポット、ホテル、食事、交通機関、地図、トラブル時の対応が比較的最新の情報で載っています。読んでいるだけで卓上旅行できるほどの情報が詰まっているのでオススメです。

 

事前の準備と現地での情報源として機能するので、費用対効果としてはとても高いガイドブックです。事前準備であればネットからの情報も活用できますが、情報が点在している、正確かわからない、時系列が異なるケースがあるなどのデメリットもあるので、僕は情報が集約されているガイドブックの購入を推奨します。

 

地球の歩き方は国ごとや人気の周遊コースなどで纏められています。ヨーロッパ周遊など、分厚い冊子になっているものもありますが、各国の情報の粒度も変わってくるので、あなたが行きたい目的で判断して購入しましょう。

 

ちなみに最近のガイドブックには、写真の撮影スポット(いわゆる映えスポット)が特集されている場合があります。カメラ旅行を考えているのであれば、撮影スポットも予習しておくと、いい写真が撮れます。そう言った意味でもガイドブックを旅行のお供に据えるのにはメリットがあります。


2.行きたい都市やスポットを決めよう

ガイドブックを購入したら、ザッと一通り見てみて、行きたい都市や観光スポットを確認しましょう。おそらく今まで想定していた行きたいところに加えて、新たに行ってみたいところが出てくると思います。まずは、それらをリストアップします。

 

行きたいところをピックアップしてみると、場所が離れていたりと、旅行の日数では物理的に周遊が難しいことなどが出てきます。ついては、行きたいところに優先順位をつけて物理的に周れるコースで考えましょう。

 

一番行きたい場所が決まっていると、日数に対してどう動くかを決めやすいです。

 

また、出発点と帰りのポイントもコースを決めるためには大事になります。詰まるところ、航空券の空き状況と費用です。行きたい場所の優先順位と日数が決まったら、まずは旅行代理店でどの空港からのアプローチが最適か、空き状況がどうか、費用を確認するといいでしょう。かっちりコースを決めた後で、行き帰りのポイントが全然違うなんてことになると計画をイチから考えなければなりません。一番行きたい場所が決まっているのであれば、まずは航空券から決めることをオススメします。

 


3.各都市やスポットでの泊数を決めよう

行きと帰りのポイントが決まり、行きたい場所の優先順位が決まったら、それぞれの都市での泊数を決めます。

 

ただ、一番行きたい場所と行き帰りのスケジュールが決まると、必然的にある程度の旅程は限られることになります。

 

フライトのスケジュールによりますが、初日はおそらく空港に到着してホテルに直行する形になると思います。長時間の移動で疲れているので、自然と空港近くの都市でまずは一泊となります。

 

また帰りもフライトから逆算すると、前日の都市の滞在をどこにするのかが自然と決まります。そこでも泊数を消費することになるので、残りの日程をどう他のスポットに配分するか、これを決めていくことになります。

 

一番行きたい場所に比重を置いて長めに滞在するもよし、一都市一日程で組んで弾丸旅を楽しむのもよし、です。旅行の日数の中で最大限楽しめるスケジュールをまずは暫定でいいので当て込んでみましょう。

 


4.移動時間を逆算してスケジュールを組もう

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行きたい場所と宿泊都市に泊数を割り振ったら、そのルートが現実的に移動可能か、観光スケジュールが十分に確保できるかを確認していきます。

 

都市間の移動がある場合には、飛行機、列車、バスなどの選択肢を考えます。どう行くのが最適なのか、ガイドブック、ネットを確認して交通手段を決めましょう。GoogleMAPの経路確認は便利で、移動手段を設定することで、所要時間などがわかりますので参考にするといいでしょう。

 

行きたい場所にどれくらい滞在するかは行きたい度合いで調整するのがいいと思いますが、注意点としては、あまりに予定を詰め込みすぎると、何か現地で不測の事態に見舞われた時に、予定通りに進まなくなってしまいます。また、予定通り進行しないことへの焦ってしまうなんてことにもなります。

 

できるだけ余裕のあるスケジュールを組むことをオススメします。スケジュールは午前、昼、夕方とざっくり分けて、例えば、都市の移動をしなければならない時は、午前中を移動に当てて、昼、夕方は観光スポットを一旦一つに留めるなどがいいと思います。

 

移動時間は正確に、観光スポットの散策はざっくりと時間を取っておくと不測のトラブルなどにも柔軟に対応ができます(僕はドイツに行った際に、乗り換えるべき駅で寝過ごしてしまい降りることができませんでした。正直焦りましたが、その日は次の都市での予定を組んでいなかったので気持ちを落ち着かせて対処できたことを覚えています)。

 

5.個人旅行の醍醐味は目的地までのプロセス

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僕として、ヨーロッパ旅行を個人旅行で薦める最大の理由は、個人旅行の醍醐味は目的地までのプロセスだと思っているからです。

 

プロセスというのは2つの意味があります。

 

1つ目は、言葉の通り、目的地に到着するまでのプロセスです。自分で考えて、現地の案内板などを見ながら、ときに人に聞きながら、自力で辿り着いた時の達成感は格別です。例えるなら、RPGゲームでヒントが少ない中で自分で考えてダンジョンを制覇したときの気持ちに似ています。この達成感を味わってしまうと、パッケージツアーなどの何もしなくても現地に連れて行ってくれることに物足りなさを感じてしまいます。目的地までのプロセスを、自分の中で地図で辿るように向かうことでそのスポットに行ったことに加えて、自力で辿り着いたという経験が相まってさらに輝きを増します。

 

もう一つは、先ほどのトピック3で伝えたように、事前準備の時間としてのプロセスです。個人旅行なので、現地をより効率的に回るためにもある程度の下調べが必要です。これも目的地に辿り着いたときに報われます。下調べしたルートが見事にはまり、効率的に目的地に辿り着けたときの達成感は格別なものです。

 

ヨーロッパ周遊の個人旅行のスケジュールの組み方は参考になりましたでしょうか。

 

「自分のペースで写真撮影しながら好きな場所を旅行したい」
自由にスケジューリングし、無理のない余裕のある日程を組むことで、写真撮影にも時間が割けます。ぜひあなたらしいスケジュールを組むことから旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

僕の個人旅行記はよければコチラからご覧ください。

tonde-hayabusakun.hatenablog.com

【ただの旅行記】航空券・ホテル手配のみで行くドイツ旅行(ヴュルツブルグ編)

こんにちは、飛んではやぶさ君です。新章ドイツ旅行の記事をアップしました。旅行の行き先で悩んでいる方、ぜひ参考にしてみてください。
 
 

2012/2/11~18


今回も年に一度の仕事の長期休みを使って、行ってきましたドイツ。目指すはオーストリア国境付近、フュッセンにあるノイシュヴァンシュタイン城。ディズニーランドのシンデレラ城のモデルにもなったこの場所を最終目的地として、 男ふたりの列車の旅が始まります。

1週間、全6都市を巡った旅の模様は下記のように書いていきます。

●プロローグ

●フランクフルト編

★ケルン編

★ヴュルツブルグ編

●ローテンブルグ編

フュッセン

ミュンヘン~フランクフルト編

★…世界遺産あり


ドイツと言えば、グリム童話発祥の地。
実は、グリム童話の初版は、子ども向けではない残酷さや猥せつさでわずか900部しか出版されなかったそうです。読者を意識し、加筆・修正を加えたものが今日のグリム童話になったようで、調べてみると意外と面白いことが満載でした。


今回は数多くあるグリム童話の中から、ディズニー映画にもなったこの作品をご紹介。

ラプンツェル
あの長い髪の女の子の話。映画は見ていないのですが、話はおもしろいらしいです。

物語に興味がある方は、下記URLからぜひご覧ください。
ただし、初版の話は映画ファンの方には刺激的すぎるかもしれませんのでご注意を。

※参考HP

ja.wikipedia.org






2/13 フランクフルト→ヴュルツブルク


ドイツ3日目の朝。2人になったパーティーに最初に訪れたのは、宿を予約するというミッションだった。この旅の最終日は、フランクフルトから日本に戻らなければならない。日本では最終日の宿は取っていなかったので、最後の日もこのユースに泊まろうと私たちは考えたわけだ。

Aさん(相方Nくんの後輩で、ドイツに住む日本人の女の子)はもういない。彼女に頼らずとも、私たちはドイツで生きていけることを証明しなくてはならない。私は勇気を振り絞り、作戦名「ガンガン行こうぜ」を謳い「英語で話す」「最後にDanke(ありがとう)と言う」を繰り出した。


「効果はバツグンだ」

優雅にドイツの朝食をとるNくんの横に、私は凱旋した。心なしかコーヒーがいつもより美味しかった気がした。
(最終日は、ダブルルーム【バス・トイレ共同】でひとり約\1800。断然安かったので驚いた。)

 

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一旦はフランクフルトともお別れ。キャリーバックを引き、白い息が交じる街に出ると、いよいよ私の心は躍っていた。この日から、自力で考え目的地を目指さなければならない。Aさんに甘えることなく進む旅、私がしたかった本当のドイツ旅行が、今まさに始まろうとしている。列車を待つホームで、私はまだ見ぬドイツの街町に思いを馳せていた。

私たちがこの日以降、進もうとしていたルートは「ロマンティック街道」と呼ばれる観光街道。古都ヴュルツブルクから、中世の町並みのローテンブルク、そしてアルプスの麓の町フュッセンにいたる約350kmのドイツ観光の王道ルートだ。

行き方としてはさまざまあると思うが、手っとり早いのはツアーを予約してしまうことだろう。ドイツ周遊の最もメジャーなルートなので、日本から簡単に押さえることができる。現地も基本的にはガイドがいるはずなので、苦労はないだろう。他には、列車で行く方法とヨーロッパバスを現地で押さえる方法があるが、私たちは自力で向かう面白さを感じるため、列車の移動を選択した。

後述していくが、やはり自力で列車を乗り継ぎ進む旅は面白い。時間が物語る移動している感覚は、そのまま旅の充実感に直結するからだ。知らない土地を、地図を見ながら、時間を気にしながら進んでいく感覚は、まさにRPGそのもの。私が旅にハマるのは、この体感型ロールプレイングを通して、新たな刺激を感じたいというのが理由なのだろう。

DB(ドイツ鉄道)の窓の外を眺めながら思い思いの時間を過ごしている私とNくん。私の頭の中では、そんなことが浮かんでは沈んでいった。

この日は月曜日。平日ということもあってホームにはスーツ姿の人も多かったが、列車の中はさほど混まず、快適さは相変わらずのものだった。前日に比べて少し温かさすら感じていたら、チラリチラリと雪が降ってきた。雪も横に流れる景色を見つめていると、1時間ほどして次の目的地ヴュルツブルクに到着した。

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ここは、マイン川のほとりの紀元前1000年前から続く古都。長崎県出島で活躍したシーボルトや1895年にX線を発見し、第1回ノーベル物理学賞を受賞し物理学者レントゲンなど、この町出身の有名人を調べてみるのも面白い。

私たちに残された時間は3時間ほど。それまでにこの町の観光名所を網羅しなければならない。大粒の雪が降る中、私たちは早速中心のマルクト広場に向かうことに。フランクフルトとは違う、どこかこぢんまりとした町並みに親しみを感じつつ、私たちはガイドブック片手に進んだ。気付くと地図の上には雪が積もり、ページが濡れていた。今ではしわくちゃになっているその頁を見ると、その風景が思い浮かぶのも感慨深い。

そうそう。途中、建物の中庭に入り、誰もいないことをいいことに遊んでいたら、そこはどうやら小学校で、授業中の生徒にガン見されたなんて話はご愛嬌。ふたりの照れ笑いが思い浮かぶ人は、それを想像してそのニヤけた顔に免じて許してほしい。

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車の通りが多い道を歩いてしばらくすると、マルクト広場が見えてきた。赤いマリエンカペレが特徴的なそこは、市庁舎や大聖堂が隣接する町の中心。雪が勢いを増し、人が少なかったのもあって広場はかなり広く感じた。私たちは、広場の端っこから全体を目に焼き付けるように見回し、次の場所に向かった。

ちなみに、マルクトとはドイツ語で「市場」を意味し、さまざまな都市の中心地にその広場の名前が使われている。


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次に向かったのは、アルテ・マイン橋。欄干に12体の聖人像が立つ立派な石造りの橋だ。川沿いの開けた景色に、対岸の丘の上のエンベルク要塞が加わって確かな存在感を放っている。朝一からの雪ですでに白銀と化した景色も相まって、橋は寒々とした雰囲気の中にも凛とした威厳を醸し出していた。

このスポットは個人的に好きだった。前に行ったことのあるチェコのカレル橋に似ていたからだ。聖人像の並ぶ橋なんてオシャレで、なんとも言い表せない雰囲気がある。私は渡りきる間に何度も振り返り、後ろ髪を引かれる思いで丘の上を目指した。

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公園になっている丘をゆっくりと登ると、先ほどの要塞が見えてくる。丘にはほとんど人がおらず、雪が降る中、周りの声もあまり届かない。ふたりで雪を踏みしめる音だけを聞きながら、要塞の入口に向かった。

ふと見ると、相方NくんはiPhoneを取り出し、音楽を聞いていた。目線はどこか遠くを見ながら、今の状況に浸っていた。はじめてのヨーロッパをわかりやすいほどに噛み締めていた。

要塞の中庭は広く、まるでファイナルファンタジーVの飛竜でも飼っていそうな吹き抜けの壁やベルクフリート塔、マリエン教会など数多くの施設があった。基本それらを見上げながら、少し迷いつつも城壁の外側に移動。眼下を臨むと、地平線まで見えるパノラマで白銀の旧市街地が飛び込んでくる。この旅で3本指に入る景色が広がっていた。

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お腹も減ってきたので、昼食を取りに先ほどの橋まで戻ってきた。ガイドブックを探していると、アルテ・マインミューレというレストランが目の前にあったのでそこに入った。水車小屋を改装したなんともムードのあるお店だ。店内は空いており、木と緑を基調にしたテーブルやインテリアはとてもオシャレで少し高級感が漂っていた。

私たちは温度差に軽く鼻水を垂らしながら、ランチをオーダー。私は、お店で有名な香草と酢で蒸したマスを頼み、このドイツ旅行一薄味の品に舌を唸らせた。ドイツビールは銘柄は忘れてしまったが、口当たりがスッキリでこれまた美味い。冷えたカラダを温めながら食事は進み、気付くと、外は雪が止んでいた。

私たちはこの店に到着したときと出発前にトイレに寄ったが、ここのはかなりおしゃべりだった。気になる人はぜひこの店に立ち寄ってみてくれ。本当によくしゃべるトイレなので、驚くに違いない。

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ヴュルツブルク最後に寄ったのは、レジデンツと呼ばれる世界遺産。ここは1700年代の大司教の宮殿として建てられたもので、ドイツ・バロック建築の最高峰とも呼ばれ、その巨大で荘厳な出で立ちは見る者を圧倒する。

私たちは時間がなかったので、外観を見るに留まったが、本当にとてつもない存在感をレジデンツは放っていた。近づくにつれ、ドンドンと大きくなっていく建物は、まるで魚眼レンズを通したかのように上に伸び、波のように前のめりに私を飲み込んだ。この感覚は伝えるのが難しいのだが、今でも覚えている。

城館裏側には庭があり、そこには噴水があった。ただ、これは見るからにラムネのシロップをかけたかき氷だったので、とりあえず食べてみる衝動は皆さんにもご理解いただけるだろう。

そしてここでタイムアップ。列車の時間が来てしまったので、私たちは駅に戻ることに。細部まで見れなかったのは残念だったが、大方の観光名所は巡ることができたので満足だ。時間は14時を過ぎたころ、私たちは次の町ローテンブルクへ向かうため、再びDBに乗った。

 

長文・駄文を読んでくれた方、ありがとうございました。次は、ローテンブルク編のお話です。

 

海外旅行の手配はコチラから

海外旅行の醍醐味の一つに、自分で旅をしている感。地図を見ながら自分で決めて進んでいる感があると思っています。このドイツの旅でその充実感を日々感じていました。もしあなたが旅行に行きたい、新しい感性に触れたいということであればぜひ航空券を手配して計画してみるのはいかがでしょうか。

 

海外旅行の手配はこちらからぜひご覧ください。

海外航空券は旅工房

 

「あの路地裏の写真を撮りたい」自分のペースで写真撮影・好きな場所に行くために!ヨーロッパ個人旅行を薦める理由とデメリット解消法

こんにちは、飛んではやぶさ君です。


今回はカメラ、写真好きなあなたにヨーロッパ旅行を個人旅行でする魅力とメリットをお伝えします。

 

<こんなあなたに見てもらいたい>
・ヨーロッパの街並みや景色を自分のペースで撮影したい
・ヨーロッパの行きたいところに自由に行きたい
・パッケージツアーを見ているけど行きたいところを網羅していない
・個人旅行は未経験!大変そうだけど興味がある

 

<目次>
1.旅行の種類とメリット・デメリット
2.ヨーロッパの特長から見る個人旅行との親和性
3.個人旅行は事前準備から楽しもう!デメリット解消法
4.個人旅行の醍醐味は目的地までのプロセス

 

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1.旅行の種類とメリット・デメリット

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旅行にはパッケージツアーとフリープラン、個人旅行があります。
ざっとメリット・デメリットを纏めています。

 

①パッケージツアー

旅行会社が決めた日程表、旅程にもとづいて旅をするプラン。ホテルや食事、移動手段などもあらかじめ手配されています。

 

▼メリット
  • 手配要らずなので楽チン
  • 観光地の主要どころを回ることができる
  • 外国語が話せなくても心配ない
  • 添乗員がいる場合、現地スポットを解説してくれる
▼デメリット
  • コストが高い
  • 団体行動になる
  • スケジュールや訪問先の自由度がない
  • 時間が決まっているので写真撮影は制限がある

 

②フリープランツアー

旅行会社が手配する航空券とホテルのセットプラン。現地滞在中は基本フリープランになっています。プランによりますが、一つの都市に拠点を置くパターンが多いです。

▼メリット
  • 個人行動ができる
  • 現地では自由に旅程を組むことができる
  • フリープランなのでツアー費用は抑えられている
  • 時間は融通が利くので写真撮影に当てることができる
▼デメリット
  • 添乗員などはいないので、現地の観光スポットの解説などはない
  • 都市や国を跨ぐ移動には向かない
  • 現地のスケジュールは自分で組む必要がある


③個人旅行

航空券、ホテル、現地の交通手段など、すべて自分(たち)で手配するカスタマイズプラン。

▼メリット
  • 行きたいところへ自由にスケジュールを組むことができる
  • 目的地までたどり着くプロセスを楽める
  • 時間は融通が利くので写真撮影に当てることができる
▼デメリット
  • 自分で航空券、ホテル、現地の交通手段の手配をしなければならない
  • 事前にある程度周遊スケジュールを決める必要がある
  • 問題が起きた時に自分(たち)ですべて解決しなければならない

 

2.ヨーロッパの特長から見る個人旅行との親和性

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ヨーロッパの特長は、以下です。

  • 国や都市を跨いで、世界遺産や観光スポットがある
  • 街並みやお店など、魅力的な場所がたくさんある
  • 目的地までの手段が充実している(列車やバスなど)

 

 

都市間を跨いで観光スポットを巡りたい場合、フリープランのように一拠点に長く滞在するプランはあまり適しません。日帰りで近郊の町に行くなどは可能ですが、拠点を自由に移せる方がより選択肢が広がります。

 

また、パッケージツアーのようにスケジュールが決まっている場合、「もっと見たかったのに」や「このスポットに来るまでの道がとても素敵だったけど、スケジュールの都合上移動できない」など、自分のしたいことに対して制限が多くなってしまいます。

 

何より現地に行ってみて初めて、「あそこに行ってみたい」「あのお店に寄りたい」「あの角度から写真を撮りたい」などが出てきます。街全体が世界遺産になっているなど、街を歩いているだけでも素敵な場所がたくさんあるのでスケジュールを自分で調整できる方がより望ましいですよね。

 

また、目的地への交通網も充実しているのが、ヨーロッパの特長です。アジア圏など、目的地へ行くためには車で●●時間かかりますというスポットが多い場合には、旅行代理店が手配した移動手段に相乗りするのが適していると思います。しかし、ヨーロッパやアメリカなど列車やバスなどの交通機関がある程度整備されている地域であれば、現地で自力で移動することも比較的容易です。もちろんヨーロッパでも都市から離れていて、アクセスの難易度が高い観光スポットもあります。ただ、その辺りは旅行代理店のオプションツァーを組み合わせることで効率的に周ることもできます。

 

これらを考えると、自分が行きたいスポットに好きなスケジュールで存分に楽しみたい、写真を撮りたい、さらには「あの路地裏の写真を撮りに行きたい」というあなたにとっては、ヨーロッパ旅行を個人旅行で周遊することは一番適していると考えています。

 

3.個人旅行は事前準備から楽しもう!デメリット解消法

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▼個人旅行のデメリット
  • 自分で航空券、ホテル、現地の交通手段の手配をしなければならない
  • 事前にある程度周遊スケジュールを決める必要がある
  • 問題が起きた時に自分(たち)ですべて解決しなければならない

 


先ほど上記をデメリットと書かせていただきましたが、何を目的とするかでデメリットはメリットに変わります(すべての旅行の種類に言えることだと思いますが)。

 

個人旅行はすべて自分で手配しなければならないことは確かに手間ではありますが、その国や街、観光スポットを調べてスケジュールを組むことから旅は始まっています。今はネットで調べれば、さまざまな情報が手に入りますし、海外ホテルの手配も昔に比べれば専用サイトも多く簡単になっています。僕は、ガイドブック(地球の歩き方など)も組み合わせて、妄想しながらスケジュールを組みます。

 

※スケジュールの組み方などについては今後別の記事でお伝えします。

 

<ホテル手配サイト 例>

・trivagoトリバコ(まとめサイト)(https://www.trivago.jp/
・Booking.com(https://www.booking.com/index.ja.html

 

<航空券手配サイト 例>

・トラベルコ(まとめサイト)(https://www.tour.ne.jp/

・エクスペディア(https://www.expedia.co.jp/air
・エアトリ(https://www.skygate.co.jp/


また、個人旅行はちゃんと手配ができるか不安という意見もあります。確かに、手配するものが多いので不安に感じるかもしれませんが、最初のうちは旅行代理店に相談することをお勧めします。旅行代理店は、カウンタースタッフが親身にプランの相談に乗ってくれます。航空券の手配のみお願いすることも可能ですし、ホテルもすべての日程のうちの一部だけ旅行代理店に押さえてもらい一部日程だけ手配してみるなど、スモールスタートで始めることもできます。すべて自分で手配しなければ個人旅行は成立しないと思っている方がいれば、それは違います。最初のうちは旅行代理店に行って相談に乗ってもらいましょう(旅行代理店経由で手配すると一定の手配料が上乗せされます)。

 

<旅行代理店 例>
H.I.S.https://www.his-j.com/Default.aspx


あとは、問題が起きた時の対処が不安という声もあります。確かにパッケージツアーの場合は添乗員さんがいるので何かあっても助けてもらえますが、一言で言えばなんとかなります。決して楽観視するわけではなく、事前の準備で気を付けておくべきことをしっかりと踏んで対策や意識を向けていれば未然に防げることが多いです。

 

僕は、地球の歩き方のガイドブックの最後の方にある「トラブル事例」は必ずチェックをして対策をしています。これは読者の先輩たちから寄せられている過去のトラブル事例や解決策が載っているトピックになるので勉強になります。例えば、パリで子どもが写真を買ってほしいとお腹あたりに写真を押し付けてきて、視界を塞がれお腹のポシェットから現金を盗られたという被害事例がありました。その知識があれば、ポシェットは持っていかない、現金はわけて保持しておく、現地で子どもの勧誘には気を付けるなど対策が打てます。

 

また、最新の情報であれば下記サイトの「Q&A」も参考になります。

<現地情報サイト 例>
地球の歩き方【ヨーロッパ】(https://www.arukikata.co.jp/area/europe.html

 

もちろんパッケージツアーに比べてトラブルのリスクは高いかもしれませんが、何かが起きるときはどんな場面でも起きますし、いくら対策してもしきれないのが現実だと思います。僕としては、対策しようにもしきれないことでヨーロッパの個人旅行を辞めてしまうのはもったいないと思いますので、ぜひ事前準備を十分に行って、楽しい旅にしてもらいたいと思います。

 

4.個人旅行の醍醐味は目的地までのプロセス

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僕として、ヨーロッパ旅行を個人旅行で薦める最大の理由は、個人旅行の醍醐味は目的地までのプロセスだと思っているからです。

 

プロセスというのは2つの意味があります。

 

1つ目は、言葉の通り、目的地に到着するまでのプロセスです。自分で考えて、現地の案内板などを見ながら、ときに人に聞きながら、自力で辿り着いた時の達成感は格別です。例えるなら、RPGゲームでヒントが少ない中で自分で考えてダンジョンを制覇したときの気持ちに似ています。この達成感を味わってしまうと、パッケージツアーなどの何もしなくても現地に連れて行ってくれることに物足りなさを感じてしまいます。目的地までのプロセスを、自分の中で地図で辿るように向かうことでそのスポットに行ったことに加えて、自力で辿り着いたという経験が相まってさらに輝きを増します。

 

もう一つは、先ほどのトピック3で伝えたように、事前準備の時間としてのプロセスです。個人旅行なので、現地をより効率的に回るためにもある程度の下調べが必要です。これも目的地に辿り着いたときに報われます。下調べしたルートが見事にはまり、効率的に目的地に辿り着けたときの達成感は格別なものです。

 


いかがでしたでしょうか。
最後は僕の少し私見が強く出てしまいましたが、国や都市を横断して自由に好きな場所に行きたい、写真を撮りたいというヨーロッパ旅行をお望みであれば個人旅行がオススメな理由がご理解いただけましたでしょうか。

 

今後は、個人旅行の手配の仕方やスケジュールの組み方なども書いていこうと思います。

 

「あの路地裏の写真を撮りたい」
そんなヨーロッパ旅行に共感してくれるあなたの参考になれば幸いです。

 

 

僕の個人旅行記はよければコチラからご覧ください。

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【ただの旅行記】航空券・ホテル手配のみで行くドイツ旅行(ケルン編)

こんにちは、飛んではやぶさ君です。新章ドイツ旅行の記事をアップしました。旅行の行き先で悩んでいる方、ぜひ参考にしてみてください。
 
 

2012/2/11~18


今回も年に一度の仕事の長期休みを使って、行ってきましたドイツ。目指すはオーストリア国境付近、フュッセンにあるノイシュヴァンシュタイン城。ディズニーランドのシンデレラ城のモデルにもなったこの場所を最終目的地として、 男ふたりの列車の旅が始まります。

1週間、全6都市を巡った旅の模様は下記のように書いていきます。

●プロローグ

●フランクフルト編

★ケルン編

★ヴュルツブルグ編

●ローテンブルグ編

フュッセン

ミュンヘン~フランクフルト編

★…世界遺産あり


ドイツと言えば、グリム童話発祥の地。
実は、グリム童話の初版は、子ども向けではない残酷さや猥せつさでわずか900部しか出版されなかったそうです。読者を意識し、加筆・修正を加えたものが今日のグリム童話になったようで、調べてみると意外と面白いことが満載でした。



今回は数多くあるグリム童話の中から、世にも恐ろしい物語をご紹介。

「手無し娘」
継母または怒る父によって両手を切られ、放逐された女の子の話。幸せな結婚をするが、悪意から手紙をすり替えられて更なる危難に遭う。

物語に興味がある方は、下記URLからぜひご覧あれ。グリム童話版は頁中腹あたり。
※参考HP http://suwa3.web.fc2.com/enkan/minwa/tenasi/01.html


2/12 フランクフルト(来襲!ナイトメア)

ドイツの部屋は気密性が高いらしい。なぜか部屋の暖房が稼働せず寒さで凍死するのではと焦ったが、気付くと朝の6時。心地よく朝を迎えていた。眠い頭はシャワーで覚まし、歯を磨きながら窓から外を覗く。そこは日本ではない国。睡魔に襲われない本格的なドイツ散策DAYがいよいよ始まるのだと、自然とテキパキ、身支度は進んでいくのだった。

そうそう、毎回ヨーロッパ旅行で襲われる悪夢を紹介しておこう。学生のときに訪れたイタリアの初日が印象的だったのだが、自宅から24時間かけてようやくローマに到着し、疲れ切った私はホテルで爆睡していた。深夜4時ごろだろうか、私はそのナイトメアに襲われた。

私はもう最終日を迎えていて、飛行機は早朝出発で朝4時にはホテルを出ていなくてはいけない。すでにその時間を迎えていたと気付くと、私は友だちをたたき起し、しきりにこう言っていた。

「もう飛行機に間に合わない、ヤバイ、どうしよう」


このナイトメアの恐いところは、現実と夢の境界線がないという点。冷静に考えればその日は旅行初日、飛行機に乗る予定などあるはずがない。わかってはいても、寝起きの意識も朦朧とした状態では抵抗の術はなく、私は友だちに指摘を受けるまで、しきりにその言葉を繰り返していたという。

今では、ネタでしかないこの話。ただ、今回私はその悪夢に再び襲われることになる。

旅行初日であるにも関わらず、なぜか「一度帰ろう」とする私。相方のNくんも了承済みでありえないスピードで日本に帰国。次の日の朝を日本で迎え、意気揚々ともう一度フランクフルトに行こうとするが、重要なことに気付く。

「航空券もないし、もう一度なんて行けるわけないじゃん」


普通に考えれば至極当然なのだが、驚くべくことに私には一切その考えがない。そしてそれをNくんに伝えると、Nくんも気付かなかった、と慌てふためく。どうしよう、どうしよう、となぜ帰ってきたのかという理由もわからず、私は目を覚ます。

ただ、私も同じ過ちを繰り返すほど愚かではない。天井が視界に入ると、その後に部屋の一面を見渡す。すると、どうやらここはいつも目覚める日本の光景ではないことがわかる。そして、前日の寝る前と後の事象をひとつひとつ確認していくと、いくつもの矛盾点が出てきた。すぐに私は、それがあの忌々しいナイトメアの仕業だということをおぼろげな意識の中で理解することができたのだ。

いつもやられている私ではない。今回は冷静に対処することで、見事旅の魔物とも言うべきアイツを退けることができた。Nくんにももちろん何も迷惑をかけていない。私の頭の中では、ファイナルファンタジーのファンファーレが煌々と響き渡っていた。

ちなみに、気になったので夢占いで「帰る」夢を調べてみると、下記のように出てきた。

「帰る夢は原点に立ち返ることの象徴で、自分自身を取り戻そうとしているときや、反省する必要があるときに多く現れます。自分の家に帰る夢は、自分らしく振舞うことで幸運が訪れる暗示なので、ミエをはらずにありのままの自分を大切にして。」

(参考URL http://www.dailyfortune.jp/dream/63.html


毎度のごとく襲われるこの夢に、旅は自分に無理を強いているではないかと、ときどき自信をなくすことがある。が、所詮は夢は夢だ。深層心理で帰りたいという気持ちがあっても問題はないではないか。だっていつかは帰るのだから。

と、決してホームシックに襲われているのではないと断言をして、とりあえず日記を続けたいと思う。




2/12 フランクフルト→ケルン


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朝8時、眠い目をコーヒーで覚ましながら私たちはラウンジで朝食をとっていた。コーンフレークにトースト、ハムにチーズ。ヨーロッパを演出するには十分な出演者。彼らを余すことなく口に運びながら、話はその日の予定に。

朝9時にAさん(Nくんの友人でドイツ在住の日本人の女の子)と駅前で合流し、DB(ドイツ鉄道)で大聖堂のあるケルンへと向かう。この大聖堂は世界遺産に登録されている建築物で、157mという高さを誇るドイツ有数の観光スポット。列車の移動も含めて、テンションはウナギ登りだった。

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相変わらず外に出ると、肌にピリリと刺すような寒さだった。私たちはフランクフルト中央駅に向かい、Aさんとスタバの前に合流。相変わらずよくしゃべるAさんからひとつの提案があった。

それは、ICE(InterCityExpress)という日本の新幹線クラスの特急を使わずに、快速列車でケルンに向かおうというもの。

その方が時間はかかるが、メリットがある。それは快速列車に乗ると、ライン川沿いを走ることができ、ライン川のクルージングの名所を車窓から見れるそうだ。本来、オフシーズンでクルージングができないと諦めていたスポットだったので、私たちには願ってもない話。Aさんが同行してくれていることに改めて感謝しながら、私たちは列車に乗り込んだ。

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ライン川は、源をスイスの山中に発し、フランスとドイツの国境を流れ、オランダのロッテルダムで北海へと注ぐ、全長約1230kmの国際河川。その半分以上はドイツを流れ、岸辺を彩る古城とぶどう畑が造り出すロマンチックな景観は、ドイツを代表する風景だ。(地球の歩き方より)

ガイドブックの上には、遊覧船が往来し緑眩しい景色がいくつも広がっていたが、窓の外は冬。裸の木にこげ茶色の山々が連なり、空の色はトーンを落としていた。太陽は水面を煌々と照らすが、やはり外の寒さを隠すことはできない様子だ。

冬らしい少し殺伐とした景色と古城を見ながらしばらくすると、ローレライが出現した。美しい歌声で船乗りを惑わし、船を転覆させてしまう水の妖精(に見立てた大きな一枚岩)だ。彼女は切り立った岸壁の上から、列車の中の私たちを見ていた(ような気がした)。伝説の存在を目の当たりにして、私たちは

「なんだ、ただの岩じゃん。思ったほどでもないね」


と言わざるを得なかった。カチンときたのか、彼女は私たちを水に沈めようとした。が、列車の中の私たちには彼女の声は届かない。それどころか、隣に座っていたドイツ人の男の子と遊ぶ始末。完全にシカトをこいていた。私たちの態度に憤怒したローレライは、景色のフレームから見切れてしまう前に、どこかに行ってしまった(に違いない)。

そんなこんなで気付けばケルン。2時間ほどの列車の移動は居心地が良すぎたのか、まだまだ乗っていたかったのが正直な感想。私たちは重い腰を上げ、渋々降りることにした。

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フランクフルトとまではいかないが、十分に大きなケルンの駅。そこを出ると、すぐに巨大な大聖堂が待ち構えていた。首を上げ、かなり後方に下がらなければ視界に入らないその大きさにただただ驚いた。ザ・ヨーロッパの教会と言わんばかりの存在感は、圧巻だった。

この大聖堂、近くで見るとコゲた壁がいくつもある。きっと戦時中に焼かれてしまった爪痕なんだと、私は歴史の重厚さを感じていた。地元の若い連中が花火を壁に向けて打ち上げるからと聞いたときの衝撃は、さながら空島のインパクトダイヤルをくらったかのようだった。

ちなみに、ここでもモンスターに遭遇。天使を模した彼らは大道芸人クソヤロー。大聖堂の前に陣取り、写真を撮ってあげるからと手招きをする。しかしここで安易にお願いしてしまうと、必ず金を巻き上げられる。私たちは臨戦態勢を取りながらも、L・Rボタンを長押し。ある程度距離も空いていたので運よく逃げられたが、必要に応じて「ぜになげ」もやむを得なかったかもしれない。


私たちは、どうにか戦闘区域を脱し、聖堂の中へと入った。

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大聖堂の中では日曜日のミサが行われていた。荘厳な雰囲気の中、前の方で何人かの司祭が教典を読み上げた後、参列者とともに歌っていた。その声は天井が突き抜けたように高い聖堂内も手伝って、横から後ろからと響き渡っていた。

ミサが終わるまで中には入れない。すでに昼を過ぎ小腹の空いていた私たちは近くのカフェに入り、食事を取ることにした。そこで出会ったドイツ人とフランス人のハーフの女の子は、4歳。人見知りなど一切せず、私たちに興味津津。こちらを見てはキャイキャイ笑い、英語かドイツ語かフランス語かわからない言葉を発していた。今になって思えば、写真を撮っておけばと後悔するほどのかわいらしさ。この旅の数少ない後悔のひとつだ。

昼を済ませて、再度ケルン大聖堂へ。一通り見学したあと、私たちはケルンからローカル線で3駅先のブリュールという町に向かった。ここには、ケルン大聖堂と同じく、世界遺産に登録されているアウグストゥスブルク城がある。私たちは日が暮れはじめ段々と寒さが増す中、この旅ふたつ目の世界遺産を訪れた。


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城の中の写真は撮れなかったが、吹き抜け階段はかなりの見物だった。階段の天井と壁360度すべてに天使やギリシャ神話の神様のような彫刻が彫られており、天井は平面なのだが、描かれている空と天使の絵でいかにもドーム型のように見えるのだ。さながら金のかかっただまし絵だ。

時間帯で見学ツアーが仕切られており、参加したのはいいもののガイダンスのイヤホンを借りなかったばっかりに、熱心に説明するガイドの言葉が一切わからなかった。とりあえずウンウンと頷いてみたが、目立つのでそそくさとやめて、集団の片隅で静かにしていたのを覚えている。

 

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1時間ほどで見終わったので、庭を見学し戻ることにした。帰りは、ケルンのメッセ前の駅でICEに乗り換え、1時間かけてフランクフルトに。はじめて乗った特急は行きで乗ったものよりもさらに快適。何より車内がキレイでオシャレだ。ガラスの自動ドアで仕切られた車両で、木目調の壁や床の絨毯が心をホッとさせる。


外は暗くなり、最大時速300kmで走るものだから、景色はほとんど見れなかった。ふと横を見ると、Nくんは疲れて寝てしまい、Aさんは窓の外の遠くを見ていた。私は眠くないので、Aさんと話してみたものの、会話はあまり盛り上がらず、話はブツ切りに。気まずさに耐えきれなくなった私は、タヌキ寝入りという最終手段をとるしかなかった。ただ、それでも眠れない私はAさんとの会話をどうにかこうにか続けつつ、気持ちよく寝るNくんの寝顔を横目に、思った。ICEは言うほど速くないな、と。

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フランクフルトに着くと、MAREDO(かな?)というドイツのファミレス的なレストランで夕飯を取った。ここはセットを頼むとサラダバーがつくので、ここぞとばかりに野菜を摂取したのを覚えている。

食事を終え、解散したのは9時ごろ。Aさんとはここでお別れ。次の日からフランクフルトのメッセで仕事があるらしい。私たちは、2日間ドイツを案内してくれた感謝の印に、日本土産のカニ味噌汁を渡した。Aさんは喜び、そして振り返らずにまっすぐに帰って行った。パーティーは2名に減り、次の日からの旅に一抹の不安を残しつつ、夜は更けていくのだった。


Aさんのおかげで次の日からの旅が本当に楽になったのは言うまでもない。彼女に列車のフリーパスの購入代行をしてもらったのが大きかったが、それ以上に私たちがドイツに慣れるまでの間、列車の乗り方からドイツ人の気質までいろいろ教えてくれたのだ。本当に感謝したい。

元気一杯のAさんのふとしたときの影のわけを知るには時間が足りなさすぎたが、私がわかるのは彼女は2年前単身ドイツに乗り込んだ勇敢な戦士だということ。勇敢な戦士とは語弊があるかもしれないが、一度腹をくくったのは間違いないはず。ドイツ語もしゃべれず、ツテもないところから、家を借り、仕事につき、自給自足で現在ドイツで生きていることは、自分の中での一大決心がなければできないことだ。彼女の行動には尊敬の意を払うとともに、私自身いろいろと刺激を受けた。

「最近腹をくくってそこを目指したのはいつだろう。」


長文・駄文を読んでくれた方、ありがとうございました。次は、ヴュルツブルクのお話です。

 

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