【マネジメントに悩むマネージャー必見】心理的安全性の確保のために!誰かの散歩道は、Aさんのエベレスト登山であることを知ろう
こんにちは、飛んではやぶさ君(@flyingfalconkun)です。
今回も部下を持つマネージャーの方に向けて書かせていただきます。
【マネジメントに悩むマネージャー必見】
心理的安全性の確保のために!
誰かの散歩道は、Aさんのエベレスト登山であることを知ろう
- 誰かの散歩道はAさんのエベレスト登山であること
- 役職モチベーションを当然と思う元上司
- 自分が持っているものがどういうものかを知らなければならない
- ゴールが同じでもアプローチは無限にある
- マネージャーは心理的安全性を提供できる存在
- 千里の道も一歩から
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1.誰かの散歩道はAさんのエベレスト登山であること
以前、部下を知るためには出生から知ろうという話をさせていただきました。なぜ知るのか、それは仕事を始めてからの数年の状況だけではその人は計り知れず、生まれてから今までを知らなければ、考え方や姿勢は読めないからです。
「育ってきた環境が違うから価値観はイナメナイ」
SMAPのセロリは個人的に好きなのですが、まさにその通り(SMAPのセロリは恋愛の歌ではありますが)。性格もこれまで経験したことも全員異なるメンバーで社会は成り立っています。得意なことも不得意なことも好きも嫌いも違います。運動が得意な人もいれば、美術が得意な人もいますし、人との距離感を一気に詰めることができる人もいればなかなか詰められず悩む人もいます。
マネージャーとして一番やってはいけないことは、これらを知らず、受け入れず、自分の価値観を押し付けることです。自分ができるので、相手もできると思い込むことです。つまり、「誰かの散歩道はAさんのエベレスト登山であること」をまずは認識しなければなりません。
「なぜこんなことができないのか」
「●●はすぐできたぞ」
僕の経験則では、字ずらでは「全員はそれぞれ違うもの」という言葉は認識しているものの、それを言動に紐づけられていない人が多くいる印象です。上記のような言葉を発している方もおそらくは人それぞれ違うものというのは認識してはいると思います。
「なぜ部下に刺さらないのか」
「部下が考え方を改めてくれない」
もちろん部下にも問題はあるケースはあると思いますが、ただ僕は、マネージャーが自分自身を知らなすぎることが原因だと捉えています。
2.役職モチベーションを当然と思う元上司
自分の話をします。
過去の上司はやりたいことはあるべくして然り、役職は当然ほしいものだろうという野心家でした。僕は当時20代中盤のころに「お前はどうなりたいんだ、役職はほしくないのか」と聞かれ、それまで考えたことないことを問われ戸惑ったことを覚えています。その後、マネージャーに上がりたいかどうかを問われるたびに、自分では本心から納得していないものの「なりたいです」と言っていました。
その後、28歳でタイミングも良く、部署拡大のタイミングで課長にさせていただいたのですが、正直課長になれた嬉しさよりもプレッシャーの方が大きく、課長になってやりたいことを見つけられずにいました(その後2年半ほどキャリア迷子になって辛い時期を経験することになります)。上司には何のために仕事をしているのか、自分自身のガソリンが何なのかの相談をしていたものの、上司からするとそれはあって当然のモチベーション。あまり的確なアドバイスをいただいた記憶はありませんでした。
この体験を通じて思ったことは、彼の中で当たり前にある「人は役職につきたいものである」「やりたいことはあって然るべき」は僕の価値観やモチベーションを形成するガソリンにはなり得なかったということです。
結果、僕は自ら「市場にインパクトのある商材を生み出し、会社をトランスフォームさせ、市場を席巻する」という結論を導き出し、なんとかキャリア迷子から脱することができました。上司が「誰かの散歩道はAさんのエベレスト登山であること」の考え方を知っていたかどうかは不明ですが、当時、僕が一番渇望していた答えに対してアドバイスをしてくれることはありませんでした。彼の中で当たり前にある仕事に対しての目標や姿勢に悩む僕のことがピンと来なかったんだと思います(不満に聞こえるかもしれませんが、その当時の上司にはそれ以上に指南いただき、助けていただいたので感謝しかありません)。
3.自分が持っているものがどういうものかを知らなければならない
繰り返しになりますが、「育ってきた環境が違うから価値観はイナメナイ」なので、
自分が持っていて当然と思うもの(例;働くモチベーション 働くなら役職者を目指したいなど)
他人からすると長所に見えるもの(例;相手の懐に入るのが上手いなど)
これらはマネージャー自身ががちゃんと把握していなければ、他人の、ここでいう部下の持っているもの、持っていないものが何なのかを把握してあげることは難しいと僕は考えています。自分を構成している要素を因数分解して、その要素を知ることで初めて、相手の構成要素を知ることができ、何が足りないのかがわかるものだと思っています。
自分が他人よりも秀でている要素を持っているのであれば、それを「センス」という言葉で片付けず、1から言語化し、そのノウハウを伝えてあげる。苦手意識を持っていた要素を育ててきた自負があるのであれば、そのときに思ったことや経験したこと、相手が経験してきた言葉や体験に乗せて話してあげる。これができて初めて、部下は自分事と捉え、響くものだと思っています。
4.ゴールが同じでもアプローチは無限にある
もう一歩踏み込むと、マネージャーと同じ道を辿らせる必要はありません。お伝えした通り、人によって構成要素は異なるので能力値もそれぞれです。コミュニケーションに長けている人もいれば、データ分析に長けている人もいます。
仮に、部下がクライアントからの質問にうまく回答ができないと悩んでいたとします。また、その部下は自分が機転が利かず咄嗟のカウンタートークが出てこないことに課題があると認識していたとします。ダメな上司は、ここで部下を「なぜできない」と否定するか、もしくは自分のやり方でやれと言う、終いには「お前の頭の使い方が悪い」と全否定する人もいるかもしれません。
ただその部下が仮に「数字やデータを見ることが得意」ということがわかっていたら、僕であれば
「答えられないのは相手からの質問が自分の想定外だから。●●がそれを悔しいと思うなら、なるべく想定外を想定内にできるように、データや数字を見て事前準備をしっかりしろ。人の何倍も準備に当てろ。そうすればクイックに回答できるようになる」と伝えます。
あくまで例ですがお伝えしたいこととしては、「相手の質問に返答する」というゴールに対して、アプローチは無限にあるということです。人によっては天才的な脳みそを持ち、どんな球でもその場で打ち返せる人もいるでしょう。ただそんな人ばかりではないので、自分なりのやり方で同じゴールに向かうしかありません。得意な人よりも2倍の距離があるアプローチしかできないかもしれませんが、であればその区間を得意の人よりも2倍のスピードで駆け抜ければ済む話です。
同じアプローチのみを強要するのは、「全員はそれぞれ違うもの」という意識と言動が一致していない証拠です。その個人にあったアプローチのアドバイスができて初めて「全員はそれぞれ違うもの」が体現できると思っています。
5.マネージャーは心理的安全性を提供できる存在
Google社が提唱する、心理的安全性を確保できるチームの生産性は向上するという話は有名だと思います。
つまり心理的安全性のあるチームとは、部下に「聞いていいんだ」「失敗してもいいんだ」「本音を話していいんだ」と思ってもらえるチームビルディングができている組織。それは紛れもなくマネージャーの手腕で決まります。
本音で話せるということは、自分の弱みも否定されないという安心感があることが前提になります。先ほどの決めつける上司には、部下はおそらく本音を語らないでしょう。否定されてしまう、言ってもわからないと判断をすると、部下は上司に対してどんどん委縮し心を閉ざします。それでは良いパフォーマンスは発揮できなくなってしまいます。
心理的安全性を確保するための第一歩は、間違いなく「誰かの散歩道はAさんのエベレスト登山であること」を知り、部下が本音を話せる環境と関係性を作ることから始まります。
6.千里の道も一歩から
どうしても普段の業務に追われていると、直接的な短期的なコミュニケーションに走りがちです。部下からのレスポンスも即効性を求めてしまいます。
もしあなたが部下へのマネジメントやコミュニケーションに悩んでいるのであれば、今までの自分が本当に「全員それぞれ違うもの」を言動が一致するレベルで意識し、向き合えているかを考えてみてください。アプローチを自分のやり方ばかりを伝えていないでしょうか。もしそうであれば、「全員はそれぞれ違うもの」という意識と言動が一致していないのかもしれません。
また、部下と話をして、足りているものと足りていないものが見えてきますでしょうか。要素として見えてこないのであれば、それはまずは自分自身と向き合わなければならないサインかもしれません。
「誰かの散歩道は、Aさんのエベレスト登山であること」なのです。
この記事があなたのマネジメントスキル向上に繋がれば幸いです。
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